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随筆『馬の骨』からの書き写し
蝦夷(えぞ)
一
日本地名大辞典「山形県」の巻に、わが古里の地名が出ている。今では隣部落の萱場と合併し、字の名でもなくなったものを、こういったれっきとした本の中に見出だすのはうれしいものである。短いので全文を引いてみよう。
すぎのいりごえ杉ノ入超(尾花沢市・最上町) 尾花沢市大字牛房野と最上都最上町大字月楯とを結ぶ峠。峠は熊ノ返山の南に位置し、標高641m。小国郷(現最上町一帯)と尾花沢盆地を結ぶもので、東部の山刀伐峠の枝道として利用された。杉ノ入(大字月楯)には境番人が置かれ、南部(現岩手県)からの出羽三山行者や、南部馬が通った。
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