|
アイヌの大将に率いられる和人の軍団 −− それが和人にとって名誉なことでないからといって、その史実に目を覆ってはならない。アイヌ人と和人は、常に戦闘をくり返していたわけではない、弥生時代から古墳時代あたりにかけて、アイヌ人は和人から神道を受け入れ、自分たちの宗教とした。それだけに、両者は手を組んで事に当たることが多かったのである。(このことについては、近刊予定の『アイヌ語と山形方言』において、少しく問題にした点があるので、ご参照ねがいたい。)アイヌ人は武において勝り、和人は文化の面で優れていた。長短あい補い、共存できる間柄であったのである。
|
|