酒田市城輪柵跡
岳陽先生は、それでも私の顔から視線を離さなかった。光る鋭い目で、私の面体を確かめている風であった。十五秒か二十秒か凝視をつづけた上で、やっと納得したのか、「もっとも、アベの字にもよるがね」と弁解めいたことを言って、次に移った。